2012年5月6日日曜日

Skyteamさんの「東京日和@元勤務医の日々」:イザ!


風向きが危うくなったので、後追いで記事にしたんでしょうか?それとも自慢?
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記者の目:「次の実香さん」出さぬように=青木絵美(奈良支局) 
 ◇「人と予算」伴った対策を--医師だけを問責するな
 
 奈良県大淀町立大淀病院で今年8月8日、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん(32)が、19病院から搬送を断られた後、大阪府吹田市の国立循環器病センターで男児を出産し、8日後に亡くなった。私は取材を通じ、出産前後の医療システムについて考えさせられた。「財政難」を理由にその整備を怠ってきた奈良県と、深刻な医師不足で激務を強いられている医療現場双方が、「次の実香さん」を出さないよう、今こそ「人と予算」の伴 った対策をとるべきだと言いたい。 

 取材は8月中旬、高崎さん一家の所在も分からない中で始まった。産科担当医は取材拒否。容体の変化などを大淀病院事務局長に尋ねても、「医師から聞いていない。確認できない」。満床を理由に受け入れを断った県立医科大学付属病院(同県橿原市)も個人情報を盾に「一切答えられない」の一点張りだった。 


看護標準の1998の評価の低血圧

 搬送先探しが難航した背景は根深い。取材を進めると、緊急かつ危険な妊婦を処置できる「総合周産期母子医療センター」は8県(秋田、山形、岐阜、奈良、佐賀、宮崎、長崎、鹿児島)で未整備だった。危険な母体を大阪府などに送る奈良の県外依存は、ここ数年3~4人に1人の割合で推移する。県医務課の釈明は、「看護師不足や財政難がある」。ただ、新生児集中治療室(NICU)が40床あることを挙げ「この病床数は大都市を除いて多い」と、整備を急ぐ構えは感じられなかった。 

 「だったら、なぜ妊婦は県外に送られたのか」「遺族はこの現実をどう思うか」。実香さんの遺族にたどり着けたのは10月だった。義父の憲治さん(52)� �当初、「実香ちゃんの死を汚す結果にはしたくない」と、取材への不安を口にした。「県内の実態を改善させるよう継続的に取材する」と伝えると、憲治さんの話は5時間以上に及んだ。 

 実香さんは頭痛を訴えた直後に意識不明に陥った。家族は脳の異状を疑い「CT(コンピューター断層撮影)を」と主治医にすがったが、分娩中にけいれんを起こす子癇(しかん)の判断は変わらず、搬送先探しが優先された。結局、死因は脳内出血。「担当の先生は、息子(実香さんの夫)も取り上げてくれた。『親子でお世話になれるな』と喜んでいた。病院の説明があったとき、事務局長に『誰のために働いてる』と聞いたら『町、病院のため』と答えたよ」。憲治さんの言葉には、信頼する医師の下で起きた事態へのやりきれなさがあ ふれていた。 


うつ病イリノイ州のヘルプ

 その取材から3日後、実香さんの実父母、夫の晋輔さん(24)にも話を聞いた。「脳内出血の処置を受けているのに、母乳がたまっているのか胸が張ってね……」。意識のない中、実香さんは母であろうとしたのだ。その後、遺影の実香さんと、生後2カ月で愛くるしい笑顔の長男奏太(そうた)ちゃんに対面した。一家は考えた末、取材が殺到するのを「覚悟してます」と、実名と写真の掲載に同意した。 


人格障害は、お高くとまった、偉そうな特性を再

 報道以降、多数のファクスやメールが届いている。「医師の能力不足が事態を招いた印象を与え、一方的だ。医療現場の荒廃を助長する」という医師の声も少なくない。だが、記事化が必要だと思った一番の理由は、医師個人を問題にするのではなく、緊急かつ高度な治療が可能な病院に搬送するシステムが機能しない現状を、行政も医師も、そして私たちも直視すべきだと思ったからだ。居住地域によって、助かる命と失われる命があってはならない。 

 NICUに9床を持つ県立奈良病院(奈良市)では、緊急処置の必要な妊婦受け入れに対応できるよう、正常分娩の妊婦を開業医に移す自助努力を重ねてきた。 また、今回の問題を受け、県医師会の産婦人科医会も母体を産科以外で受け入れるなどの対策を打ち出した。医師の研修制度改正や産科医不足から、県内でも過去2年間で3病院が分娩を取りやめるなど影響は深刻だが、可能な限り、知恵を絞らねばならないと思う。 

 一方、県は医師会の対策をなぞるように、県内の民間2病院へ搬送受け入れを要請。だが、これは本来のセンター整備の遅れを補うに過ぎない。現時点で県は、人員確保を含めた体制作りを09年度中としているが、前倒しすることも検討すべきだろう。 

 初めて大淀病院に行った時、私は待合室で2カ月先まで分娩の予約が埋まっているとの張り紙を見た。「地域の妊婦がこの病院と医師を信じ、通っている」。憲治さんは「やがて� �実香ちゃんの死に意味があったと思いたい」と訴えた。失われた実香さんの命を見つめ、医療従事者、行政は同じ過ちを繰り返してはならない。 


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 「記者の目」へのご意見は〒100-8051 毎日新聞「記者の目」係へ。メールアドレスkishanom/p>

毎日新聞 2006年10月26日 東京朝刊 

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 表向きは「改悛の情?」違うよなぁ‥センセーショナルに走ったあとで「失われた実香さんの命を見つめ、医療従事者、行政は同じ過ちを繰り返してはならない。」だそうです。 

 違うでしょ。「マスコミは同じ過ち(魔女狩り報道)を繰り返してはならない。」じゃないの? 自分たちの不十分な取材をもとに「魔女狩り」報道がなされ、地域住民にとっては不安を煽り、そして過労死寸前の産科医を、さらに追い詰めるような報道に突っ走ったマスコミさん。ご苦労。


 来年には「産科医不足、海外分娩が大流行」とか「医師不足、フィリピンより助産師を受け入れへ…」という感じでしょうか?
 日本の医療は、採算性が著しく制限されています、だから安全性もぎりぎり切りつめて、いつもやっていますが、行政が怠慢なのを「医者も怠慢」という具合に魔女狩り報道に走ったテレビ、新聞はそのうち今と逆の報道するでしょう。それで、助かる命が増えるのかは謎ですね。  

 それに、マスコミが「自己弁護」するように、最初から魔女狩り報道でなかったら?違った風向きだと思いますけど…今後の政策にも響くような気がします。結局、周産期センターが出来ても、そこで働く人を粗末にしていれば一緒だし、育成に最 低10年はかかることを考えたら、今すぐにやるべきことは「安全対策のために1%頂きます」で、きちんと医師や看護師の労働環境を守ったり、患者さんの安全対策に注意を払った病院にお金が還元されなければ、なりません。

  箱モノ作っても、周産期医療は簡単には改善には向かわない!むしろ地域から引き上げが推進されて、産科医不足が進行するって考えていますが、いかがでしょうか?バランスよく集約化して、やるのも大切ですが、奈良の場合、一気に進むでしょう…その犠牲は誰が払うのか?マスコミさんではないようですね。

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